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「おーーーい!!遼、誰か来てるのー!?」
彼氏とあたしは瞬時に飛び起きた。
「やべっ!母さんもう帰ってきた!」
「まじで!?」
「彼女来てんのーー!」
彼氏が一階に向かって大声で叫ぶ。
「お菓子とかお茶、持って行こうかー?」
「いい!俺が取り行く!!」
彼氏は大急ぎで服を着て、階段を降りていった。
あたしは息を整えて鏡を見た。ブラウスを少しめくって見ると、左胸にキスマークが残っていた。
彼氏からの愛の証――
あたしはそっと左胸に手を当てた。
「ごめん!おまたせ!」
彼氏が両手いっぱいにお菓子と紅茶を持ってきた。
「ありがと」
その様子がなんだか可愛らしくて、あたしはふふっ、と笑ってしまった。
「ねぇ、りょーくん、ここに座って」
「?うん?」
あたしは彼氏をベッドに座らせると、彼氏のトレーナーをまくりあげた。
「ちょっ…何すんだよ!?」
あたしは彼氏の左胸にキスマークをつけた。
「お返し、だよ。これでおそろい」
彼氏はまいった、といった顔で笑いながらあたしの頭をくしゃくしゃに撫でた。
あたしもつられて笑った。
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