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一番記憶に残っている嫌な女ナンバー1と言っても過言ではない‼
とにかくしたたかな女…佐知子(仮名)は、私がパチ屋で働き始めて数か月たったある日にやって来た。
私よりも3~4才ほど年上であったが、仕事場では私の方が先輩になるわけだ。
一応後輩が出来たと、少し嬉しいような気持ちでいた私だった。
佐知子は女性には珍しく、一人で寮に入っていた。
パチ屋でバイトする女性は珍しくないが、正社員でしかも一人で寮に入る人はなかなかいないらしい。
先輩いわく、なんらかの問題を抱えている人が大半だと言っていた。
確かに…たった数か月だが、寮に入っていた人達はキャラが濃かった。
最初のうちは、真面目に仕事をしていて、店のマネージャー夫婦にも気に入られ、まぁ順風満帆と言ったところでした。
しかし‼1ヵ月ほどたったころから、何やらおかしなことが…。
やたらにお金のミスが多発。
景品がなくなったりして、カウンター内の社員は「どうしてだろう…。」と首を傾げた。
私も、まだ入社して半年もたっていないので、自分のミスではないか⁉と、心配していた。
そして、そんなことが多発していくうちに、なんだか周りの様子がおかしいことに気付いた。
マネージャー夫婦が、私に対してやたらに冷たい。
最初から恐い人だからあまり話さなかったが、佐知子と私に対する態度が面白いほどに違っていた。
マネージャーの嫁はカウンターのボスだったが、その嫁もまた恐い‼
そして、今まであったトラブルやミスが、いつの間にか私が犯人だったことになっていた。
嫁から「何かミスした時、それを隠そうとするヤツ嫌いなんだよね💢」などと言われるし、無視はされるし、精神的にしんどかった。
誰かが私のせいにしたんだ…そう思って思い浮かぶのは佐知子しかいなかった。
何かあっても庇い続けるマネージャー夫婦を見て、お気に入りの佐知子が有頂天になってしまったのだ。
私は怒りを堪えながら、必死で平静を装いながら仕事をした。
ある日、実家から長男が倒れたという連絡があった。
長い休みを取らなくてはならないので、いっそのこと辞めてしまおうと思ったが、なぜかマネージャーに引き止められた。
まぁ社員がすぐ辞めるとなると、色々体裁も悪いし、本社の方からも言われるからだろうが、しかたなく二週間ほど休みをもらった。
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