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ボールが、遊んでいた子どもたちの手をはなれ
「ポーン!」と跳んで川におっこちて流されていきます…。
「ふぅーやっとはなれる事ができた」
ボールが言いました
「あの子ども等ときたら、オレのカラダをバシバシけりやがって!あのままいたら空気がいくらあっても足りゃしねー!」
そう、子どもたちは、サッカーをしていたのです。
けられるのが嫌になったボールくんは隙を見計らって逃げたのでした。
流されながらボールは呟きました
「オレは痛いのはもうヤダから、ゆったりあそびたいなぁ」
水のなかでそれを聞いていた
糸ミミズが三匹
ぴちょんっ
ぴちょんっ
ぴちょんっ
「ボールくん!ボールくん!」
と顔をだしました。
「ゆったりあそびたいなら僕らといっしょにあそぼうよ」
ボールくんはゆったりしたかったので一緒に遊ぶことにしたのですが…
ちょん、ほわわわ~ん
ちょん、ほわわわ~ん
…糸ミミズ達は水のなかで、ゆらゆら揺れているばかり。
少し沈むと、
ちょん、
っと上にあがりまた
ゆらゆら揺れるばかり。
「これがあそびなのかい?」
ボールくんは丸い体を揺らしながら言いました。
「そーだよいつもこうしているんだ」
ちょん、ほわわわ~ん…
「どうだい?ゆったりするだろう?」
と糸ミミズは言います。
ですが、ボールくんはちっとも楽しくありません。
「…オレもう行くよ」
とボールくんはしずかに流れていきました。
「もう行っちゃうの?こんなにゆったりして気持いいのに」
糸ミミズはゆらゆら不思議そうに言いました。
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