ボールのともだち

2/5
前へ
/5ページ
次へ
 ボールが、遊んでいた子どもたちの手をはなれ 「ポーン!」と跳んで川におっこちて流されていきます…。 「ふぅーやっとはなれる事ができた」 ボールが言いました 「あの子ども等ときたら、オレのカラダをバシバシけりやがって!あのままいたら空気がいくらあっても足りゃしねー!」 そう、子どもたちは、サッカーをしていたのです。 けられるのが嫌になったボールくんは隙を見計らって逃げたのでした。 流されながらボールは呟きました 「オレは痛いのはもうヤダから、ゆったりあそびたいなぁ」 水のなかでそれを聞いていた 糸ミミズが三匹 ぴちょんっ ぴちょんっ ぴちょんっ 「ボールくん!ボールくん!」 と顔をだしました。 「ゆったりあそびたいなら僕らといっしょにあそぼうよ」 ボールくんはゆったりしたかったので一緒に遊ぶことにしたのですが… ちょん、ほわわわ~ん ちょん、ほわわわ~ん …糸ミミズ達は水のなかで、ゆらゆら揺れているばかり。 少し沈むと、 ちょん、 っと上にあがりまた ゆらゆら揺れるばかり。 「これがあそびなのかい?」 ボールくんは丸い体を揺らしながら言いました。 「そーだよいつもこうしているんだ」 ちょん、ほわわわ~ん… 「どうだい?ゆったりするだろう?」 と糸ミミズは言います。 ですが、ボールくんはちっとも楽しくありません。 「…オレもう行くよ」 とボールくんはしずかに流れていきました。 「もう行っちゃうの?こんなにゆったりして気持いいのに」 糸ミミズはゆらゆら不思議そうに言いました。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加