ボールのともだち

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 「はぁー、あれは本当こわかったなぁ…落ちた瞬間もうダメだと思ったもの!」 流されながらボールくんは言いました。 「そりゃーきもちいい部分も少しはあったけど、あんなのはもうゴメンだな…」 ボールくんは思いました。 こんなことなら子どもたちと遊んでいた方が良かったと。 でも逃げてきた手前帰れません。 そこへ… バッシャン!すいー っとカワイルカがやってきました。 「ボールくん!僕についておいでよ」 カワイルカが言いました。 「なんだい?もう、ゆったりも激しいのもオレ、ヤダよ」 ボールくんはカワイルカを疑いの目で見ました。 「そんなんじゃないよ、いいからほら!僕の頭のてっぺんにお乗り」 えがおでカワイルカは言います。 なかば強引にボールくんを頭の上に乗せて、カワイルカは泳ぎだしました。 それはもう水の上を走っているみたいに 流れる景色を見ながら 心地良い風を受けて 草木の香りを吸いこみ とっても爽快な気分。 「カワイルカくん!これはとーってもきもちいいね!」 風を受けながらボールくんが言いました。 「そうだろう!うんうん」 うれしそうに頷きながらカワイルカはこたえました。 しばらく泳いだ後カワイルカが言います。 「さぁ到着だ!」 着いたところは広い川岸でした。 その川岸には子ども達がいるではないですか。 「ボールくんを見付けてきてくれたんだね!」 「ありがとうカワイルカくん!」 子ども達が手をあげたり、しゃがみこんだりして喜びながら言います。 するとボールくんはうれしそうにポーンと飛んではねて子ども達と楽しくあそびだしました。 ボールくんにとって、 一番の遊びともだちは、 やっぱり子ども達ですね。
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