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『終わりと始まり』
その世界には、自由気ままに生きる者達がいた。
決まった国に籍を置こうとはせず、何処かの国に長居する事も無く、挙げ句の果てには帰る場所すらないとまで豪語する彼ら。
彼らが行う事といえば、立ち寄った国や集団、または個人からもたらされる『依頼』。
例えば、要人の護衛だったり。例えば、遺跡の発掘だったり。例えば、野盗の類と戦う事だったり。
危険を顧みず、己の腕と底知れぬ好奇心に突き動かされるまま生きる事を選び、風のように生きる彼らを、人々は敬意と畏敬の念を持ってこう呼んだ。
『風人(カゼビト)』と――
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