🌸あの遠き日の思い出🌸

今は居ない親友へ…

～Ｍの車…止まる時間～

Ｍの家は少し入り組んだ所に在るため車で入るには少しきつかった為近くの体育館の駐車場をお借りする必要があった。

無属性とジャックはそこの体育館に車を停めた。

ﾊﾞﾀﾝｯﾊﾞﾀﾝｯ…

俺『…Ｍの家に着いたね…。』

無『あぁ…いつもと変わらないな…。』

そぅ俺と無属性と虎は良くＭの家に遊びにきていた。
たまには泊まったりもしたし…俺は意味不明にエアガンで狙撃されたりもした。色々な思い出がある場所だった。

俺等は道路を渡りＭの家に向かった。

田んぼ道で少し坂を上った先にＭの家がある。

坂の半分くらいで左側を見るとＭの部屋が見える。その時俺は部屋からＭが見ている気がした。

とっさに立ち止まり左側のＭの部屋を見た…見ているはずがないのに何かを期待した様に…。

無『どした？』

俺『…いや何でもない…』

ジャック『とりあえず行こうぜ。』

俺『あぁ…』

再び歩き出し…坂を上り左に曲がる。

後百メートルでＭの家だ…。

その時俺等は誰も口にしなかったが…
Ｍはまだ生きていて俺等が行ったら…
『お前等何してんだ？』…って言ってエアガンで撃ってきて…『Ｍやめろって…』…って言って…また今までと同じ様に１日が過ぎる事を期待して居たのかもしれない。

…だがＭの家に着いてすぐその希望はたたれる事に…

未だに俺は覚えている…
Ｍの家に置いてあったＭの車を…。

シートは水浸し…フロントガラスは少しヒビが…そして恐らく落ちた時に挟まったのであろう…木の枝がフロントガラスに…

ボディも所々に傷が…。

俺等は…それをただ何も言わず…ジーッと見ていた。

三人共…身動きが取れずただ呆然と約１０分位立ちすくんでいた。