🌸あの遠き日の思い出🌸

今は居ない親友へ…

～寝ているＭとの再会…～

不意に…音がした。

ｶﾀﾝｯ…

俺等はその時我に返った…。

俺『Ｍか？…』
無『…いや違うだろ…』

音がした方をジーッと
見ていた。

ｶﾞﾗｶﾞﾗ…

扉が開いた。
俺はその時正直寒気にも似た感覚を感じた。
『Ｍはやっぱり生きているんだ。』と思ったが…出てきたのはＭの祖父であった。
祖父は俺等に気づいた。
祖父『お前さん達誰だ？』

確かにもっともな意見である。
見ず知らずの人間が３人も自分の亡くなった孫の車の前に呆然と立っていれば誰だって聞くに違いない。

俺『あ…えっと…僕達は…そのＭ君と高校が一緒だった者です…』
祖父『あ～そぅか…んじゃこっちさこ(こっちに来い)…。』

すると祖父は離れの建物から自宅へと向かった。俺等も祖父の後を追った。

そして…Ｍの自宅玄関前…。

祖父『…お～い…Ｍの友達が見えたぞ…。』
中からは『は～い。』と言う女性の声がした。
見覚えがある。
そぅ…Ｍの母親だ。
母『どうぞ…入って下さい…。』
母親の顔も忘れられない…。ずっと泣いていたのであろう目が凄く腫れていて…声が嗄れていて…しゃがれた声になっていた。そして顔色も白く…瞳の色は…光を失っていた…。
３人『お邪魔します…』玄関を入って…左側の和室に俺達は行った。
入るとすぐにお線香の匂いが鼻を突いた…。

そして…Ｍとの再会。

Ｍは…布団に入っていた。
元々顔は白かったので…まるで寝ているようだ。
声をかければすぐに起きるような…安らかな顔。
高校時代…俺の隣の席だったＭは…良く授業中居眠りをしていた。
その時の顔にそっくりだった…。
修学旅行で一緒の部屋で寝ていた…寝顔。

未だに覚えてるよ。

母親は『こちらへどうぞ…。』と俺達をＭのすぐ隣に呼んだ。

母『あの…失礼ですが…Ｍとはどういう…』
俺『…あ…失礼しました…私はＭ君とは生徒会で一緒だった健介です。』
母『あ…健介君。息子が良く話しをしていました。』

俺の話しを良くしてたんだ…

無『私はＭ君とはクラスが一緒だった無属性です。』
母『あ…無属性君ね…もしかして…そちらの方が虎君ですか？』
俺『あ…いえこちらは虎ではないです。こちらは私と同じく生徒会で一緒でした…』
ジャック『ジャックです。』
母『あ…ジャック君。息子は生徒会が好きだったから良く話しをしてました。』

そして…俺達は葬儀の日時及び通夜の日時等を聞いた。…早々とＭの家を後にしたのだった。