ガイア

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「ああっ、もう! 全然当たんない!」 「アハハ~。力みすぎさぁ。」 「おう、アッシュもシルフィーも元気なもんだな」 石のリングで息を呑む様な交戦をしている二人に呑気に声をかけるオルテガ。 それに赤毛の男……アッシュが応えた。 「アハハ~。オヤジ、戻ってたんだ。今シルフィーと訓練してたんさ~………」 アッシュはオルテガに向いて言いながらもシルフィーの繰り出す槍を余裕で躱す。 そのやる気の無さ、ナメている様な態度にイライラが加速したシルフィーが叫んだ。 「こっち向けー!!」 周囲の空気の震えに気付いたアッシュがハッと振り向いた。 「ありゃ。こりゃマズイ」 「こんなところで顕現………」 「何なんですか!?」 「伏せろーー!!」 ぽけーっと呟くリースと何が起きるのか分からずに慌てるロイを血相変えたオルテガが押し倒す様に跳んだ。 直後、 ヒュゴオオオォォ!! とてつもない強風が過ぎたのを感じたロイがオルテガの下から顔を出すと、そこら中の壁や天井に深い傷が入っていた。
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