迷子と迷子と…

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ロイは途方に暮れ、同時に悟っていた。 (ガイアって…広っ……) 20分前、ロイとオルテガ、その他三人はギルドのメンバーの個室が集まった二階を歩いていた。 ――――――― 正座から解放されたロイはまず三日の汚れを落とす為の風呂を済ませ、新しい服に着替えていた。 身なりを今の様にきちんとすれば、なかなか整った顔立ちをしているのも否めない。 綺麗になったところで、広いガイア西方支部の中を案内されている途中だった。 「ロイよ。よーく道を覚えておけよ? やたらと広いからな。迷子になって餓死しかける奴もいるくらいだ。ガハハハハ!」 「そうさ~。この間なんか地下の倉庫に行く途中に白骨死体を見たんさ~」 「え! ここってそこまで広いの!?」 周りを見ながら歩いていたロイは驚きの声をあげた。 ちなみにロイはアッシュから『敬語は嫌いさぁ』と言われた為にバリバリなタメ語と化していた。 オルテガもその意見に賛成だったらしい。 シルフィーは先頭を歩くオルテガとアッシュの耳をギュッと引っ張る。 「もう、二人とも! あんまり怖がらせないの!」 「あだっ!」 「痛いさ、シルフィー……」 傍目にも痛そうな光景であった。「制裁よ」 「シルフィーは加減を知らないなぁ……」 アッシュは痛そうに右耳をさすっている。 「まぁ~、死人は出てないけど迷えばマズイってのは言えるさぁ~。 ……って、ギルド長なんだからオヤジが全部言えば? 注意から規則まで全部」 「面倒!」 「清々しいまでに言い切ったわね」 アッシュとシルフィーは呆れた様に頭を垂れた。
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