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「まずは『ガイア』の………ウチのギルド名だぞ? メンバー構成から教えてやる。
雑用や門番なんかを担当してんのが第二班。セレスの野郎は二班の班長だ。」
セレスとは、この建物に入る際に門番をしていた青年だ。
大股で歩くオルテガは後ろを必死に着いて来るロイに説明している。
本人はそのつもりだが、全く振り向かず、返答を待たずに喋り続けるのでオルテガの性格を知る者以外から見れば『大声で独り言を言う巨漢』でしかない。
「そして今から会いに行くのがワシの直属の部下、戦闘の依頼を担当する第一班。
皆、ワシの事はオーナーと慕っておるわ!ガハハハ!」
オルテガは豪快に笑いながら歩いていたが、他とは違う造りの扉を前でやっと足を止めた。
重そうな鉄の扉の向こうでは微かに人の声がする。
「一班の奴らはこの時間にはここにいるじゃろて」
太い両手を重そうな扉に付け、ロイに笑いながら言った。
「そっすか……」
恐らく何を言っても聞いてないだろう。
そう思ったロイは黙ってオルテガに着いていく事にしたのだ。
素っ気ない返答をするが、やはり内心は緊張していた。
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