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倒れたマエダに歩み寄り、タクはマエダに話し掛けた。
タク「さぁ…約束通りマスダの居場所を教えてくれ」
マエダ「まだだ………まだ…やれる………」
マエダは倒れたままタクの足を掴み、小さく呟いた。
マエダ「……かかって……来い……」
タク「マエダ…お前…どうしてそこまで……?」
マエダ「俺は負ける訳にはいかないんだ…――――――」
タク「―――話してみろよ」
マエダ「??」
タク「何か事情があるんだろ?話せよ…じゃないと気になって戦えねぇ」
マエダ「………………」
タク「マエダ………」
少しの沈黙の後、マエダはゆっくりと口を開いた。
マエダ「…マスダの命令さ………あいつに人質を捕られててな…」
タク「人質!?」
マエダ「母親さ……病気で寝たきりの母親の家に舎弟を数人張り込ませて…」
タク「…………」
マスダ「福岡から来る男を倒せ………さもなくば母親がどうなるかわからないぞ…とな」
タク「そうだったのか……しかし何故俺が北九州に来る事を??」
マエダ「わからない…だが…」
タク「だが…?」
マエダ「ある男がマスダの下を出入りしていたみたいだ……もしかしたらそいつの入れ智恵かもな…」
タク「ある男??」
マエダ「それはわからない……だが、北九州の人間じゃないことは確かだ」
タク「そうか……」
マエダ「これで十分だろ……?さぁ……続きだ」
マエダは膝に手をつきながらなんとか立ち上がり、震えながらタクに向かって構えをとった。
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