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空は…闇に包まれている。雲は黒ずんでいて、不気味な空が広がる下に…一つの古びた建物が建っている…。
建物の周りには何も見当たらない。あるのは…広々な大地。人の気配がしない。
崖に、一人の少年…いや。男性が海を見つめて立っている。
「報告するか…」
と呟いたあと、建物へと歩きだした。
建物の扉を片手で開ける。ギィー。古びた扉が音をあげる。
奥へ奥へと進む男性。廊下には、左右に、小さなランプが、ずっと同じ間隔で付けられている。余計に不気味だ。男性が向かっているのは…この古びた建物の主任の部屋だ。
廊下を歩いて進んでいくと、扉の前には…一人の兵が人形のように立っていた。
「扉を開けろ。零に面会だ。」
兵は何も言わずに、扉の横に立った。扉を開けた。男性が部屋に入った事を確認し、扉をゆっくりと閉めた。
「零…。」
「なんだ?」
男性の方に顔を向けた。零(ゼロ)と言う少年…。容姿は、髪は黒色のツンツン髪。瞳は…真っ赤に燃えるような赤色。年齢は…15歳当たりだろう。
「零…奴はまだ早い」
「奴?あぁ。あいつか。早くしろよ…迅。お前だけにしか、渡していない任だ。」
零が迅と呼んだのは、男性の名前だろう。男性は…迅と言う名前…容姿は背が高くて、髪は…黒髪のストレートで後ろを少し長くしているのを一つに束ねている。瞳は黒。年齢は…20歳。
「わかっている。今は時を待っているだけだ。焦らず待て」
「期待してるよ。」
「ふん…。」
迅は鼻で笑って…部屋を出た。
歩いていると…一つの部屋から少女が出て来た。
「!!ユキか…」
ユキと言う幼い姿の少女。水色の髪をポニーテールにし、瞳は黄色をしている。両腕に抱えた兎の人形が特徴的だった。身長は…150ないだろう。
「迅…だ。任は?」
「まだ早いんだ…」
「気をつけてね…。人間を侮ったら…危ないからね」
「ふ。大丈夫だ。成功して見せる。」
「成功しないと零…怒っちゃうよ。」
ユキは綺麗な黄色の瞳に涙を溜めていた。
「ありがとうな」
と、ユキの頭を優しく撫ぜて、歩いて行ってしまった。
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