第二章 ~田中 香也の未来~

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梛野の依頼を受けてから一週間程がたった。 本来ならこの一週間は、ただ事務所でいつ鳴るかもわからないベルを待つだけだったが今回は違う。 過去の調査にのりだしているからだ。 とは言ったものの、調査は一向に進展を見せない。 手掛りが少なすぎるのだ。 あの大きな建物も東京タワーとは断定できない。 「どうすりゃいいんだよ。」 16歳という年齢にはまだ荷が重たい様子。 椅子に腰掛けたまま伸びをした。 そしてそのまま背中をもたれ、両腕はだらしなく垂れて空気を撫でている。 過去の新聞を調べるというのが頭には無かった。
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