概要

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■概要 熱帯を中心に、全世界に約4000種、うち日本には南日本を中心に50種余り(朝比奈1991によると52種7亜種)が知られる。体長は1cmから10cmほどになる種類まで様々であるが、家住性の種はどれも1cmから4cm程度である。最大種は南米に生息するナンベイオオチャバネゴキブリで11cmにもなり翅をひろげると開長20cmにもなる。日本産の最大種は石垣島、西表島に生息するヤエヤママダラゴキブリで5cmちかくになる。 全身が上から押しつぶされたように平たく、狭い場所に潜むのに都合がよい体型をしている。触角が長く、頭部は胸部の下に隠れる。口には大あごがあり、食物をかじって食べる。脚はよく発達していて、走るのが速い。スケールスピードは時速300kmにもなる。成虫にはふつう翅が2対4枚あるが、前翅だけ伸びる種類、もしくは翅が全く退化してしまった種類もいる。もちろん、これらの種類は飛翔能力を全く欠く。また、2対4枚翅が揃っている種でも、飛翔能力は低く、短距離を直線的に飛ぶぐらいしかできない。 卵 - 幼虫 - 成虫という成長段階を踏む不完全変態の昆虫である。卵は数十個が一つの卵鞘に包まれて産みつけられるが、チャバネゴキブリのようにメスが卵鞘を尾部にぶら下げて保護するものや、サツマゴキブリのようにいったん体外で形成した卵鞘を体内のポケット状の器官に引き込んで体内保護するものもいる。幼虫は翅がない以外は成虫とほぼ同じ形をしており、5-7回の脱皮を経て成虫となる。クロゴキブリのような大型種は成虫になるのに1年半から2年ほどかかるものが多く、世代交代の速度は意外に遅いものが多い。
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