変化する者

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変化する者

化け蟹を退治した、ジンキは房総でやはり、化け蟹と闘って、やられてしまったザンキのお見舞いにいった後、浅草の甘味処・たちばなに来ていた… 立花ではヒビキが見知らぬ少年と話をしていた。 「お疲れ、ジンキ、化け蟹退治だっけ…シュ」 ヒビキがいつものキメポーズをとった。 「アァ…あっ、そういや、ヒビキ、お前ザンキさんの代わりに化け蟹退治に行ったんだって…ってヒビキッ!」 ジンキはヒビキと一緒にいた少年の方を見た。 「あぁ、少年なら大丈夫だよ…」 ヒビキがあっけらかんと言った。 「少年?、大丈夫?…あっ…もしかして日菜香が言ってた、屋久島で正体、バラした子って…」 「そっ…少年」 「そうって…ヒビキィ~」 ジンキが呆れ顔で言った。 「あっ、あの」 少年が突然立ち上がった。「安達明日夢と言います」 明日夢はペコリと頭を下げた。 「俺はジンキ、ヨロシクな…所でアスムってどんな字を書くの?」 「あっ、明日に夢って書いて明日夢です。」 「明日に夢かぁ~良い名前だね、明日夢君は高校生?」 「はい、今、春休みで四月から、高校に入ります。」 「えっ、今年、高一…って事はアレ見た時は受験生…良く高校、受かったなぁ、あんなもん、見て…」 ジンキはチラリとヒビキの方を見た。 「ちょぉとぉ~何で俺の方を見る訳~」 ヒビキが不満そうな顔をしていた。 「だって…なぁ~受験前にあんなもん見ちゃなぁ~」 そう良いながら、ジンキは明日夢の顔を見ながら、ヒビキをからかった。 「だいたいお前の鬼の姿の方が怖いだろ…あんなでっかい角、生えてんだから…」 「何、言ってんだよ…俺のはねぇ、カッコいいって言うの」 「な~にがカッコいいだよ…」 「カッコいいから、カッコいいって言ってんの!」 二人の会話に明日夢は戸惑っていた。 ジンキは突然、話題を変えた。 「あっ…そうだ、おやっさんに聞いたんだけど、百年に一度とか言う魔化魍…オトロシってのとやり合ったって…俺も見てみたかったなぁ…オトロシ」 「そういや、お前の化け蟹も予想外な事が起こったって…」 「あぁ、化け蟹は本来、巣に戻るタイプがほとんどなんだが、今回は予測地点から30キロ以上、離れた場所に現れてな、その事でおやっさんに話しがな…おやっさん、下に居る?」 「おぉ…日菜香と居るよ」 「そっか…じゃあ…明日夢君ゆっくりしていきなよ」 「はい」 ジンキはのれんを潜り、下へ降りていった。 「おやっさん、ただいま帰りました」
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