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「お帰り~ジンキ…大変だったねぇ」
「ハイ…化け蟹があんなに移動するとは、思いませんでした」
「化け蟹は、巣に戻るタイプがほとんどですからねぇ」
日菜香が話しに割って入って来た。
「ただ、童子と姫をヤった後は、ほとんど移動していなかったな」
ジンキは話しをしながら地図を拡げた。
「猛士データでの予測地点がここ…だが」
ジンキは地図の海岸沿いを指でなぞった。
「実際…化け蟹を見つけた場所はココ」
「こんなに移動していたんですか」
日菜香が驚きながら言った。
「他の魔化魍ならまだしも、化け蟹がこんなに移動するなんてあり得ない」
「するとやっぱり~ジンキが電話で言ってた、移動しながら魔化魍を育てるって事なのかな~」
そう言いながら勢地郎は、考え事をしていた。
「ハッキリ言って、これが他の魔化魍なら、かなりヤバいですよ…今までの猛士データが、まったく役に立たなくなる可能性がありますからね」
「う~ん…そう言う事だねぇ~」
「どうするんですか父上~」
日菜香は不安を隠せずにいた。
「今回の実験が、他の魔化魍に影響が出る前に、先手を打ちたいですね…」
「そうだねぇ~」
「そう言えば、みどりが作っていた新型のディスクって、どうなりました…」
「あっ…あれねぇ~もうすぐ、吉野から届く筈だよ」
「そうですか、なるべく早く、欲しいですね、今年はイレギュラーな事が多すぎますから、日菜香も大変だろ…」
「そうなんですよ…魔化魍が、特定出来なかったり、大変なんですよぉ~お店は暇なんですけどね…」
「店っていやぁ、ヒビキが屋久島で正体、ばらしたって子に上で会ったよ、素直そうで良い子だなぁ」
「そうだねぇ~受験で一番大変な時に、とんでもない者を見ちゃって…でも志望高に受かって、良かったよ…」
「そうですね…さて、それじゃあ、おやっさん俺はこれで上がらせてもらいます…今回の事は明日レポート提出しますんで、お疲れ様でした」
ジンキは店の方に上がって行った。
「じゃあな、ヒビキ、明日夢君も…」
「おぅ…お疲れさん」
ジンキは店を後にした。
「あの、さっきのジンキさんって、ヒビキさんみたいに太鼓で戦っているんですか?」
明日夢が素朴な質問をした。
「いや、あいつは全ての音撃を使いこなす鬼なんだよ、あいつは全国の鬼達から最強って言われてるからねぇ」
「全国の?じゃあ日本で1番強いって事ですか」
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