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その頃、威吹鬼は乱れ童子に左肩噛み付かれていたが、乱れ童子は何か気配を感じ取り、威吹鬼の血を吸うのを止めた。
威吹鬼はチャンスとばかりに乱れ童子の脇腹に蹴りを入れたが、その足を掴まれ、投げ飛ばされた。
そして、乱れ童子はアキラの気配に気が付き、アキラの方へ歩み寄った。
そしてアキラの顔を掴み、匂いを嗅ぐと、どこかへ去って行った。
「威吹鬼さん…」
アキラは急いで瓦礫に埋もれた威吹鬼を助けた。
威吹鬼は顔だけ変身を解き、息を荒げながら…
「奴は…」
アキラに問い掛けた。
「また、移動を始めました」
「そうか…じゃ、すぐ後を追おう…」
アキラはイブキを支え歩き始めた。
そして、響鬼のアカネタカが乱れ童子を見つけた。
「コイツか…」
響鬼は腰の音撃棒を手にし気合いを入れて火炎弾を乱れ童子に喰らわせた。
火炎弾を喰らって飛ばされた乱れ童子、先程、威吹鬼から吸った血を吐き出し、二本の剣を作り出した。
その剣の威力は凄まじく、木をいとも簡単に貫いてしまう程だった。
響鬼の乱れ童子の攻撃を上手く交わし、反撃した。
響鬼と乱れ童子の激しい戦闘の中…
「響鬼さん!」
響鬼が声のした方を見ると、イブキ達がいた…イブキはすかさず、音撃管で響鬼の戦闘をフォローした。
そして乱れ童子は、また、どこかへ飛んで行ってしまった。
「イブキ…ヤられたなぁ…」
「えぇ…少し」
「アキラは…」
「私は大丈夫です」
「そうか…もうすぐしたら日菜香が来るから、そしたら体制を立て直そう」
「ハイ」
その時、明日夢は手術室に入って行った。
「はぁ…変種ですか…」
「あぁ、例の武者童子が書いてあったのと同じ文献に共食いする奴って事で乱れ童子ってのが載っててね」
「なるほどねぇ…あのぉ、で、対策はありますか?」
「いやぁ…」
「書いて有るのはそれだけなのよ」
みどりが話しに加わった。「これはぁ…私の予想何だが」
「えぇ」
「これはぁ…実験なんじゃないかな…」
「実験ねぇ…」
「うん…より強い魔化魍を創る為とか、鬼を倒す為に昔の事例を引っ張り出して試している様に思えてねぇ…」
「でも、わざわざ、共食いする奴を創ったりしますか?」
「それが、わざと実験してるかのか…それとも共食いしない様にして失敗してるのか…その辺が解らないだがぁ…」
「なるほど…まぁ一応イブキの音撃である程度ダメージを与えたみたいですから、うん、イブキと連係して音撃でやってみますよ」
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