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試し続ける者
ジンキは今日の武者童子と鎧姫の報告にたちばなの地下で、勢地郎と話していた。
「しかし、強くなったとはいえ、童子達に雷牙を使わされて、ジンキもショックだったろう…」
「いや…俺の勝手なプライドでしたから…」
「何しろ君にしか使えない技だからねぇ…雷牙は…」
勢地郎は何とかジンキを慰め様としていた。
「でも、武者童子達を相手に良くやったね」
「いや…そんな事…」
話しが続か無い、雰囲気の時にタイミング良く、みどりが上から降りて来た。
「アッ…ジンキ君、調度、良かったぁ~渡し時たい物が有るんだよね」
「渡したい物?」
「ちょっと、待ってて…」
みどりは自分の研究室から箱を持って来た。
「開けて見て…」
そう言われてジンキは箱を開けて見ると音撃鼓が入っていた。
「どう、新しい音撃鼓…爆裂怒雷鼓(バクレツ・ダライツヅミ)今までの音撃鼓より鬼石の放つ清めの音を最大限に引き出すの…」
「清めの音を最大限って事は…」
「そう、叩く回数が、少なくて済むの」
「ヘェ…」
新しい音撃鼓のおかげでジンキの気分も少し晴れたようだった。
「とりあえず、吉野の要請でジンキ君には、常に新しい物をって事だから…後、ヒビキ君にも渡そうと思って…ただ、まだ完璧なテストをしてないんだけどね」
「まぁ、明日、ツチグモとやり合う予定だから、ついでにデータ取ってやるよ」
「それなら、よろしくね」
「それじゃ、これで失礼しようかな…おやっさん、明日は直接、現場に行きますんで…」
「あぁ、わかったよ…お疲れ様」
ジンキが帰った後、勢地郎はみどりと話していた。
「いやぁ~助かったよ、みどりちゃん…」
「エッ?…どうかしてたんですか?」
「実はジンキの所にも武者が出てね…その…雷牙を童子相手に使ってしまって、プライドを傷付けられたみたいでね…」
「そうだったんですか…」
「でも、みどりちゃんの新しい音撃鼓のお陰でだいぶ気が紛れたみたいだね…帰る時の表情が変わってたよ」
「雷牙は音撃武器無しで魔化魍を倒せるうえに、日本中でジンキ君だけが使える技ですものねぇ…」
「そうなんだよ…でも、もう大丈夫だろう」
「そうですね、ジンキ君はなんたって日本最強の鬼ですしね…」
「そうだね、日本最強だからね」
翌日、ジンキはツチグモを倒す為に現場に向かっていた…
そして奴らの実験は武者童子や鎧姫だけではなかった…
そう、あの乱れる者がジンキの前にも現れるのだ、いったい、どこまで、そしていつまで続くのだろうか、奴らの企みは…
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