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「嘘ウソ。うそだって。ほら、時間ぴったり。俺も今来たトコだからさ。」
「本当?」
「ホント。」
すると紬はにっこりと微笑み、
「なら、良かった。」
と、心底安堵したように言った。
こういう時にふと思うのだが、…正直、紬は可愛いと思う。
顔もそこそこ良くて(そこそこ、というのは本人に失礼かもしれない…)、気配りが上手く、性格も良い。
少し天然だが、それもまた悪い所ではないだろう。
どうして、彼氏とか出来ないんだろうと不思議に思ってしまう。
「…?どうしたの?碌?」
「いや…何でも無い…。」
どうやら考えながら、紬の顔を凝視してしまっていたらしい…。
俺は紬から目を逸らし、話題を振った。
「というか、今日は何処へ行くつもりなんだ?」
「ん…と今日はね~…」
ガサゴソと鞄の中を探しだす。
「あ……あったあったっ!これ!この映画を見たいの!」
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