*第三章* 過去ノ噺

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+++   紬と二人でたわいない話をしながら歩いていると、   「碌っ!?」   女の声がした。     しかし、紬は隣にいて、それは明らかに紬の声じゃなくて、でも俺に対する呼びかけの可能性が高くて…ワンテンポおいて、警戒しながらも声のする方を振り返った。   「あっ!やっぱり碌だっ!!良かったっ!間違ってたらどうしようかと思っちゃったよっ!!」     明るい声、流れる様な仕草、華やかな顔…。 どれをとっても、完璧……と思えるような人間が目の前に居た。       「…中條(なかしの)……?」   彼女の名前を呼びかけた。   「そうそうっ!!覚えててくれて良かったぁ~忘れられてたら悲しいし。」 「いや……お前を忘れる奴は居ないだろ…?」     特に男子は。口には出さないが…。     中学の頃、中條は圧倒的な存在感を持っていた。 
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