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紬と二人でたわいない話をしながら歩いていると、
「碌っ!?」
女の声がした。
しかし、紬は隣にいて、それは明らかに紬の声じゃなくて、でも俺に対する呼びかけの可能性が高くて…ワンテンポおいて、警戒しながらも声のする方を振り返った。
「あっ!やっぱり碌だっ!!良かったっ!間違ってたらどうしようかと思っちゃったよっ!!」
明るい声、流れる様な仕草、華やかな顔…。
どれをとっても、完璧……と思えるような人間が目の前に居た。
「…中條(なかしの)……?」
彼女の名前を呼びかけた。
「そうそうっ!!覚えててくれて良かったぁ~忘れられてたら悲しいし。」
「いや……お前を忘れる奴は居ないだろ…?」
特に男子は。口には出さないが…。
中学の頃、中條は圧倒的な存在感を持っていた。
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