*第三章* 過去ノ噺

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  顔は美人でまず目立つ。おまけに勉強はできて、成績は常にトップクラス、運動神経も良いときた。   男子ならまず放っておかない。 それに、女子からも慕われていた。     「あはは~ありがとう。」   お礼を言われた。     「…は?何でお前は礼言ってんだ?」   「なんでもなーいっ!っつか昔っから変わんないよねぇ?」   「だから何だよ…?」     「なんでもないってばっ。あ、そうそうっ!この間まっちゃんと会ってね…まっちゃん、彼女出来てた。」   「!…マジで?」   「大マジです。それでその彼女が凄く美人さんで……」       中條と話が弾んだ。   まぁ主に向こうから話を振ってきていた訳だけど、昔のクラスの話とか、今の高校の話とか。昔クラスメート今現在とか。中條とは同じクラスだったから、懐かしさというものもあり、此処まで話せたのかもしれない。     ……紬以外の女子とここまで話すのは久し振りだった。   「……碌…?」   しばらくして紬が遠慮がちに声をかけてきた。  
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