*第三章* 過去ノ噺

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  紬はクラスが違ったので、話しに入れなかったのだろう。   「…ぁ…。ごめんな、紬。映画行かねぇといけない…」   急かすのかと思っていた俺は次に続いた紬の言葉に驚いた。   「良いよ。別に、もう…。」     「…え?」 「その子と話してた方が良いよ。碌は。」 「何言ってんだよ…?紬?」     「だから…」   紬はゆっくりと微笑んだ。   無理やり笑っているような笑顔で。       「ばいばい。」 紬が走っていく。   別れを告げて。   小さな背中が更に小さくなる。   離れていく。   なぜ?   なにが起こった…?       「あらぁ~行っちゃったわね、彼女。」     その中條の声で我に返り、   「紬っ!!!」         走り、出そうとした。  
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