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雲一つ無い、快晴。
ずっと見ていたいくらい綺麗な空だ。
だが、それには目もくれず、碌は紬を見つめていた。
―――俺が悪いんだ…だから…
紬の頬に手を伸ばす。
―――だから、ちゃんと謝りたい。
頬に、触れる。冷たい手。
―――『ごめん』じゃ済まないかもしれないけど。
冷たい手に伝わる、あたたかい温もり。
―――だけど…大切な事ほっぽりだしてる『酷い』俺だけど…そんな俺にもチャンスを与えて欲しい。
まだ、紬は此処に居る。
―――だから、もう一度
後悔しないように。
―――目を開けてくれ。
他人の幸せを願うのが、『人間』だから。
―――勝手な願いだけど…
きっと、それが『人間』だから。
―――どうか叶って欲しいんだ。
届いて欲しい。
―――こんな……俺、だけど
どうか、どうか―――
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