*最終章* 今の自分に

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  そんな様子を見て紬はくすくすと笑いながら   「碌……なんか可愛いよ?子供みたい。」     その言葉に碌は、     「んな…っ……男が可愛いって言われても嬉しくねぇよっ!!」   まぁガキってのは解ってるけど……等とまだぶつぶつと何か言っている。  紬はそんな碌の様子を見て再びふっと、優しく笑う。   碌はその笑顔を横目で見ていた。     そしてゆっくり顔を紬の方に向ける。     「……あー…紬?」   「ん?」   「えーと…」       そこでちょっと間をあけ、聞いた。   「俺はこんなんで、めちゃくちゃ酷い奴だけど、やっぱり紬が居なくなるのは怖かった…だから…って……いや…こういう事言おうとしたんじゃなくて…」     あー…俺って文才ねぇなぁ…とぼやく。   「だから…ま、とにかくだな。今度はこんな事なんないように……前行き損ねた映画…きちんと、また、一緒に行こうな。」     碌が優しく微笑んだ。   きっと、久し振りにこんな微笑みをしたのだろう。    その顔には少しだけぎこちなさがあったが、そんな事気にならない位に優しいという印象を与える、本当に優しい笑みだった。  
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