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はぁ…
本日何回目かの溜め息をつく。
なんでか今日に限って溜め息ばかりでる。
それに、特に理由は無いはずなのだが、なんとなく沈んだ気分になる。
……いや、理由がないと、思っていたい。
「何やってるんだぁ?碌(ろく)?」
言葉と共に、人一人分の体重が肩に掛かる。
「いや、別に。何もやってないけど…」
投げやりぎみに即答した答えに体重の主は気分を害したのか、眉間に少し皺を寄せた。
「何だよぅ。せっかく人が話題を提供しようとしたのによぅ」
肩の重みが離れ、前に不機嫌な表情をした顔が現れた。
「あー悪い悪い。まぁ…考え事、しててよ。」
考え事…していた訳では無いのだが、そのような言い訳を使う。
ある意味での現実逃避…なのか…
言葉を聞いたあとすぐ、不機嫌顔を作っていた体重の主―――拓瀬(たくせ)の顔が驚いた表情を作り、
「えー碌が考え事なんてそれこそ考えられねぇぞ!?」
「失礼だ。」
よっぽど俺は考え事をしないように見られているらしい。
「ったく……」
どうしろって言うんだ。自分のせいで人が傷ついたというのに。
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