*第一章* 日常の風景

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  その自分はこんな所でこんなに平和で、考え事してるフリをしているなんて。     救いようのない奴だ。俺は。     酷いんだよ。俺は。           「碌ぅ…?あー…前言撤回。お前珍しく悩んでるわ。顔、無表情だもんな?」   拓瀬が覗き込むように聞いてくる。     「珍しくは余計。それもそれで失礼だ。」   「はいはい失礼いたしやした。」     それが言い終わると真面目な顔になり、     「んで?何悩んでんの?俺で良ければお聞きいたしますが?」     そんな言葉を発した。   そんな拓瀬の言葉がいまいち信じられず       「…」   沈黙した。       「何だよぉ親友の言葉が信じられないっつー顔だなぁ?」     感情が顔にまで現れていたらしい。       「そうでも…無いけど…。」   「いいやっ!そう考えてただろうっ!?全くよぉ、そんな人疑ってばっかで生きてたら友達無くすぜぇ?」 「大丈夫だ。お前以外にはこんな反応しないから。」   「さりげに酷っ!」     そう言って大袈裟に傷ついた顔をした。 机に突っ伏した動作が少し面白い。    
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