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柊はサマエルの予告どおりに若い命を散らして生涯を終えた。
原因は、不運にも建築工事で使われていた鉄鋼の下敷きになってしまったせいだ。
「貴方はこんな形で私と再会するとは思わなかったでしょうね…。」
現場にたたずむようにして一人の男が地上から5cm程の処に浮いていた。
しかし、その光景を見て道行く人々は驚くことはおろか気にも留めないでいる。
なぜならば通行人にはその男が見えていないのだ。
そう…彼こそが2日前に柊の願いを叶えたサマエルことレオリオ=マリンクオルツである。
サマエルは柊に近づくと何処からか鎌を取り出して、今は死体となった彼のちょうど正面から見たら心臓になる辺りにそれを迷わずに衝きたてた。
しばらくすると、そこから淡く光る何かが出てきてサマエルの手の内に収まった。
そして彼はもうここには用は無いと言わんばかりに現場から消えてしまう。
「次は貴方の番かもしれませんよ?」
サマエルが最後に呟いた言葉は誰の耳に入ることもなかったとか…。
~Fin~
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