カジノの意図

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場は平静を取り戻し、やっと次のゲームへの進行準備が整う。   達也の側の御婦人や青年達のベッティングが始まる。各々が思い思いのところにベットし、テーブルがチップで埋まる。   藤原は、前回同様に5番に高層ビルを建てる。   ディーラーが、大きい球を投げ入れた。   『ノーモアベット』   球速が緩むとディーラーがベットを遮る。   『ナンバー4』   『惜しい!隣やないか?』 藤原の声が飛ぶ!   御婦人のベットが、4and5にあり、18倍の配当を手にした。   後のハズレのチップは、ディーラーのアシスタントが一斉に回収した。   達也は見ているだけだ。   ゲームは進む!   『ナンバー6』   『また隣や!どないやねん』 藤原が嘆く。   すると次のゲームてみんなのベットに傾向が生まれた。   藤原は相変わらず5番にはビルを建てるが、5番の周辺にベットを広げた。   達也側は、小さい数字に賭けるモノがいなくなり、大きな数字にシフトされる。   (人のバランス感覚か?) 達也の中に、ディーラーの意図が見え隠れする。   『ナンバー4』   達也側から一斉にため息が出たが、これを藤原は的中させた4and5(18倍)と1and2and4and5(9倍)の5をまたいだベットで。   『ちょっと増えとるな』   配当のチップが来ると、それはそれで嬉しそうだ。   次のゲーム   藤原はまたいでのベットも重ね始める。   達也側は、御婦人が小さい数字に賭け始め、青年達は30台の大きな数字に、小山をベット   『ナンバー33』   今度は青年達が『来た来た来た』と声を躍らす。   バランス感覚でのベットが必勝法と錯覚するには十分な配当のチップが送られる。   (考えるヤツには、それが正しいかのように。数字にこだわるヤツにも、貴方は、ラッキーですと言わんばかりに的中をプレゼントする)   『って事は』 『涼子の誕生日って、1月13日だよね。それに僕の誕生日が4月16日』 『じゃあ、1.4.13.16に一万づつ…っと』 『何なの?達也!まるで素人じゃない?』   『ナンバー21』   ハズレた。さっきの青年達が再び的中。   『イケるイケる』彼らの喜色が伝わる。 達也にも笑みが浮かぶ
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