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4万円のマイナス
日常なら大変な出来事だ
しかし、カジノではチップがわずかに減っただけの事だ。
達也は、涼子の耳元につぶやいた
『順番だから!そろそろ次は僕等の番だよ』
『ナンバー1』
ビンゴ❗だ。
涼子が目を丸くする。
藤原のベットも的中!
8万は36万に、切り替わった。
達也は、同じ場所に、同じ枚数をベットした。
『ナンバー1』
同じ事が再び起こる。
『1/38が、2度続く確率って…』
涼子は、喜びを押し殺して、バカバカしい算数を始める。
12万は72万へ。この間数分。
ギャンブルは、不条理にお金の所有者を変える。
ひっかかっている、藤原も順調だ。
『次は、御婦人方へかな』
達也は、注視する
御婦人は、赤に5万程ベットした。
達也は、先程の4つの数字のベットをそれぞれ2500円に減額した。
と同時に「赤」に3万をベットした。
『ナンバー29』
青年の一人がビンゴ❗
色は………赤
達也は、16万が、78万
御婦人がステイベット(同じところにそのまんま)するのを見て、達也もステイ。
こうして、赤が5回続くと、青年の一人が、黒に10万のチップをベットした。
(バランス感覚の登場だね)
達也は、ベットを下げ、煙草に火を付けると、バニーを呼ぶ。
『涼子、コーヒーでいい?』
頷く涼子を確認して、
『ホット二つ、ブラックとありありと』
いかにも、休憩を演じる。
ディーラーは、小さな球をハイスピードで投げ入れた。
いつの間にか、藤原の5番が、高層ビルから5階建てに縮み、それが1~9に満遍なく散らばっている。
青年達のベットは、20と30近辺に塊を成している
『ナンバー0』
赤でも黒でもない。緑のエリア0
みんなの息が止まるのが解る。
ディーラーが、全部のチップ回収するのを待って、
不思議な事を全ての客が始める
オールステイ!みんながみんな、同じところへ再び賭けたのだ。
球が投げ入れられた。
固唾の飲んで、注視する客達
カンカンカン…コトッ
球はイレギュラーせずに素直だった。
『ナンバー0』
女性特有の高いが、少し湿った声が、やけに通る
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