パーティーの夜

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パーティー自体は、趣向を凝らしたイベントがある訳ではなく、各自が、持論を話し合う場となっている 総勢7~80人か? それぞれの未来への希望を語るアイディアの応酬も聞き応えはある。 飾り立てる女性達に囲まれ、哲郎も自慢げだ   あちこちから熱弁が聞こえるさなか、達也と涼子は、カウンターでカクテルを飲みながら、 『みんな凄いね』 『人は自分の足跡を残したいからね』 と、達也がつぶやくと 涼子が呼応する 『達也の足跡は、人が驚くようなものかしらね』   『僕の成功の基準は、お金やモノじゃないんだよね』 『これからの人の常識や基本になる事の策定や完成だと思うんだ』   『言葉や動作の元になるような、生きる上での基本に位置するような事を作る事だと。例えば、不必要を必要にしたり、無駄を効果的に変えたり。またはその逆とか。地球は丸い…みたいな常識を作り上げたいんだよね』   『やっぱり達也って、変わってるわ』 達也の不思議な話には、対応に困ると涼子はいつもの定番の回答をする   『これ程成熟した社会で、新しい価値の創造。しかも一部の人では無くて、世界基準になるような』   『不可能を可能へ…って感じなの』   『かもしれけどね。もっと日常に密着しているイメージかな』   (僕にも答なんて解らない) そんな気分の時に、少し酔っている哲郎が乱入してきた。   『達也!今日は余興が有るんだけど、付き合えよな』 『あぁ、用なんてないからいくらでも付き合うよ』 涼子が僕の、この即答に(何それ!)って顔をしたが、『余興』って言葉の響きには、二人が確認せずにその場を立ち去る事はない。   『それでその余興の内容は?』 涼子の機嫌を察して、種明かしを促す。   『今、言うと、フライングになっちゃうけど、達也を足止めしないと、此処に集まった女性陣のブーイングを受けるハメになるからなぁ』   (おいおい涼子が一層怪訝になるような事を言うなよ)   『哲郎!勿体振らないで言っちゃえ』 涼子が、決着を煽った!   これに少し驚きながら 哲郎が『姫は心中穏やかならずかな』と茶化したあと話始めた 『実は…』   『何よ?』涼子が急かす   『今夜は、カジノパーティーなんだよ』   哲郎が話を進める  
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