豪華客船に集う

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ヘリに乗って、一時間程か? 此処はもう日本国ではない 眼下に、アルファベットネームが鮮やかな、豪華客船が見えて来た。   深夜の海に光の塊が浮いている様子は、それだけで、これから始まる事を魅力的にする。   涼子も先程の不安が嘘のように瞳を輝かす。   達也のヘリが到着する頃には、もう何人もの先客がいる   『あっ!歌手の三田美和子に、アイドルの仲尾博、きゃあ!MCの吉行公彦もいるわ』 『プロ野球の上村投手や藤原選手もいるし、あそこには、与党の武沢代議士や経団連の富田さんもいるよ』   『客船も豪華だけど、メンバーはそれ以上だよね』 涼子のワクワクは、手に取るように解る。   主催は、哲郎を加えた、新進起業家が連名の『ジャパンネオセレブ』と言う会だそうだ。   コンパニオンに船内へと案内されるとそこは、金色のピラミッドにスフィンクスのオブジェ!クレオパトラの時代をモチーフにしている 競馬場に負けず劣らずの場内を一望出来るマルチスクリーンを配備した、レストスペース。   達也と涼子は、そのエリアのテーブルに腰掛けると、そのテーブル毎に設置の液晶テレビが、バカラ、ブラックジャック、ルーレットの舞台を選択して観覧出来る。   哲郎が、二人を見つけ寄ってくる。   『どう?凄いでしょ』 『僕らのサロンとして、そして、ビジネスとして作り上げたんだ』 『遊びながら人脈育成って発想!勿論、この船は巨万の富を生むハズだけどね』   船の所有国には、名義使用料を出来高払いでの契約だそうだ。   確かに、日本にカジノは、100店舗以上は十分成立すると某経済研究所は発表していた。   脱法は違法ではない。   ある意味ビジネスの基幹になる場合すらある。   しかし、此処まで派手にして良いのかなぁ   哲郎にこの疑問を問い掛けると   『用意周到な僕が此処にいるって事はね、各会への根回しや法律への配慮、マスコミとのタイアップも予定しているし、堂々とやる事で、認知を植え付ける予定。ディズニーランドのようなアミューズメントとして成立させるつもり。勿論、日本の法律がカジノ承認になれば、先行した既得権や実績にもなるしね』 自信満々だ バニーはレースクイーン風のコスチューム。   先程同様に二人はカクテルをオーダーする。
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