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「僕は構わないですよ。」
マウンドの上に立っていたエースピッチャーが、ボールを上に放り投げながら言った。
鬼塚「新島!こんな奴の相手をする必要はないんだぞ?」
鬼塚の言葉に新島と呼ばれたピッチャーは、陽介を見ながら言った。
新島「あんなでかい人、そうはいませんからね。ストライクゾーンに投げるだけでも良い練習になります。」
鬼塚はやれやれといった表情で、一打席だけという条件で二人の対決を認めた。
陽介「話の分かる男で助かる。」
陽介は打席に入り構えると、ピッチャーを見据えた。
新島「まずは挨拶変わりだ。」
そう言った新島の投げた球は、内角ギリギリのストレート。
野球初心者ならばぶつかるかも知れないという恐怖心で、バットを振ることすら出来ない。
陽介はこの球に反応し、バットを振った。
新島「なっ?」
陽介の振ったバットはボールを捉え、ファールグラウンドに落ちて行った。
新島「まさか、初球で当ててくるなんて・・・経験者だったのか。」
その言葉に陽介は首を振って否定した。
陽介「今日初めてバットを握ったんだが。」
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