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新島「!?・・・へえ。」
陽介の言葉にかなり動揺した新島は、ボールを持った手に力を込めた。
新島「それじゃあ、これはどうかな?」
新島は指の握り方を変えて投球動作に入った。
新島「これは打てないだ…ろっ!」
新島の放った球は通常の回転と違い、大きく横に逸れていった。
陽介はこの球にも反応し、バットを合わせてきた。しかし、ボールはバットを避けるように逸れていった。
陽介「ふんっ」
陽介はかなり無理がある体勢で、体を必死に伸ばしてバットに合わせた。
そして、そのまま物凄いスピードでバットを振り抜いた。
球は放物線を描き、球場の外に飛んでいった。
新島「あ、ああ・・・・・・」
打たれた新島は膝を着き、放心状態に陥ってしまった。
鬼塚「何ぃ~~~~~~!!」
その場にいた全員が、今起きた事に信じられないといった表情で球の消えた方向を見ていた。
陽介「意外と飛ぶもんだなー。それじゃあ、わしはこれで。」
陽介はそう言い残し、球場を後にした。
陽介が居なくなったバッターボックスを見ていた一人の野球部員が、落ちていたバットに気付いて拾い上げた。
「!! か、監督!」
鬼塚「何だ?今それどころじゃ・・・」
「これ、木製バットです・・・」
鬼塚「な、何ーーー!?」
「監督ー!」
鬼塚「今度は何だ!」
「新島が倒れましたー!」
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