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陽子「あ、兄さん!」
球場に向かっていた勇気と陽子の二人が、陽介を見つけて声をかけた。
陽介「陽子と勇気じゃないか、どうしたんだ?」
陽介は何事も無かったようにあっけらかんと言った。
勇気「どうしたじゃないよ、お前を探してたんだよ?」
陽介「探す?何故?」
勇気の言葉に、陽介は訳が分からないといった様子で首を傾げた。
勇気「何故って・・・お前な。」
陽子「兄さん、忘れっぽいから。」
勇気の言葉に、妹の陽子が苦笑混じりに答えた。
キーンコーンー・・・
三人が話していると、放課後の終りを告げるチャイムが鳴った。
勇気「あ、もうこんな時間か。どうする学園案内?明日でも良い?」
そんな勇気の言葉に、陽介は思い出した様に手をポンと突いた。
陽介「すっかり忘れてたな。でも・・・」
勇気「でも、何?」
陽介の言葉に疑問を感じた勇気は聞き返した。
陽介「陽子と別れている間に一通り見てきた。」
勇気「え?」
陽子「実は・・・私も・・・兄さんを探しながら一通り・・・」
勇気「ええー!」
二人の突然の告白に、勇気は驚いて声を上げてしまった。
勇気「じゃあ、俺は何の為に今まで待ってたんだよ・・・」
陽介・陽子「「ドンマイ」」
勇気「俺のアフターファイブを返せーーーーーーーーー!!」
放課後の学園に勇気の虚しい叫びが響いていた。
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