宣告

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公園に着くと、すでに香がブランコにいた。公園は香の家の裏にあるから香の方が早い。 拓海は隣のブランコに駆け付けた。 「呼び出した俺が遅刻うぅ❗」 拓海は、わざと明るくした。けど香は笑わない。いつもだったら 「本当だよ。私より早く来てもいいんじゃない⁉」なぁんて嫌味みたいに言うのに。 拓海は香を見た。香はうつ向いたままだった。 拓海は香の前に座り込んだ。 その光景に浮かんでいたのは溢れるばかりの目に涙を浮かべて唇を噛み締めてる香の姿だった。 「何かあったのか?」 拓海はブランコを握り締めている香の手を包みこんだ。 香は泣き声を殺せなくなったのだろう。 「んぐっ………ん……」拓海は優しく香を抱き寄せた。地面に座り込む拓海。その上に香は座り込む。 「ふ、服……汚れる」 精一杯の香の気遣い。 「関係ないよ」 拓海は、ただ黙って香の頭を撫でてくれる。 と香の中で何かがはち切れて声をあげて泣き始めた。
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