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拓海は、まずは自分の家の付近、そして公園や香の家の付近を走り回る。
「香っ!香っ!!」
片手には携帯を握り締め何度も掛けてみるが繋がらない。
「くそっ!どこだよっ!」
拓海は必死になり探していると歩道橋の上に香の姿があった。
「香っ!」
拓海は、すぐさま駆け付けた。拓海の姿を見た香。
「来ないで!来たら飛び下りるから!」
香は飛び下りようとしていた。
「やめるんだ、香」
拓海は必死に訴える。
「来ないで!もう終りなの!何もかも終りと同じよ!」
「香……」
「目が見えなくなるなんて……もう終りよ」
「終りじゃないよ」
「拓海に何が分かるの!」
声を張り上げる香。拓海は少しずつ香との距離を縮めていく。
「来ないで」
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