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ちゃんと乗ってくれるだろうか。
私の言うことを聞いてくれるだろうか。
院長夫妻に未練を残し、鳴いてしまったらどうしよう。
いろんなコトが頭をグルグル回ったが、そんな心配など必要なかった。
ローラは私にぴったりと寄り添い、指示するままに初めての車に飛び乗った。
脇目もふれず、視線はずっと私に向いていた。
かつての飼い主となった院長夫妻には見向きもしない。
あまりの呆気なさに、院長夫妻は寂しそうだ。
ちょっとこの老夫婦が哀れに思えた。
やっぱり返せ!と言われる前に車を出した。
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