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僕は見ていた。セレブっぽい女性が、交番から警察官を連れて来ている。
振り向いた男の顔を見て、彼女は大きく目を見開き、震えた声をあげた。
「あ、あなた、もしかして、あの人の、弟さんなの？ あなたの学生時代の写真を見たことがあるわ…。あ、あぁ…お兄さんの……お兄さんの仇を討とうと、したのね……」
そう言って泣き崩れる彼女を見て、僕の話が事実だと悟った彼は、完全に脱力してしまった。
男が手に持っていたナイフが地面とぶつかり、乾いた音を立て、事件は終焉を迎えた。
僕は一体何者なのかと思っている人は多いだろう。
あぁ、やっと自己紹介できる。
僕の名前は吉原 翼。
15歳。
中学を卒業したばかり。
そして、僕は…………
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