第一章 セレブっぽい女性

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僕自身も例外ではなかった。 中学に入学したあたりから、身体の成長とともに『自我』と『個性』も著しく発達していった。 しかし、その時々に感じたことをありのまま表現することなど出来なかったし、いきすぎた個性は隠さなければいけなかった。 そうしなければ、それは格好の『理由』となり、僕は間違いなく『いじめ』や『疎外』の標的となる。それを避けるためには、僕も周囲に合わせて、差し障りのない『顔』をつくるしかない。 そんな毎日を過ごすのはもう嫌だった。 愛想笑いを振り撒いて、心労で胃に大穴を空けるサラリーマンのような大人にはなりたくなかった。このまま大人になれば、僕はウサギのようにストレスで死んでしまいかねない。 社会に相容れない存在なのだ、僕は。 だから、高校には行かない。社会にも出ない。 いっそ、どこか山奥で自給自足の生活でもして暮らそうか、と時折僕は本気で考えるのだ。
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