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「がぁっ!」
光の肩に銃弾が当たった。凄まじい量の血が噴き出す。
「光っ!」
自分のワイシャツを引き裂いて肩に巻く。簡単な止血だ。
「佑理っ!前!」
光の言葉に振り向く。ワゴン車がこっちに向かって突っ込んで来た。
「くっそ!」
運転席目掛けてショットガンをぶっ放した。フロントガラスは粉々に砕けた。
運転手は殺した。でも制御を失った車は俺を撥(は)ねた。
「ぐおぁっ!」
撥ねただけならまだよかった。
でも、俺の身体は鋭利なガードレールの上に落ちた。
ザクゥッ
「う゛あ゛あぁぁぁっ!!!!!」
俺の右腕が俺の身体から引き離された。
まだピクピクと中指が動いている右腕。
肩から発せられる激痛。
自分の身体の断面を見て沸き上がる吐き気。
「佑理ぃぃっ!」
箕風が狙撃者[スナイパー]としての持ち場を放棄して駆け寄って来た。
パパパンッ!
敵のマシンガンの弾は箕風の左足を蜂の巣にした。
「ぅわあああああっ!」
その場で倒れる箕風。死神が地に伏した。
「…………君の負けだ」
誰かの声が上から聞こえた。
上を見ると、ベレッタを構えている青年がいた。だが逆光で顔はわからない。
パンッ
軽い音がして俺の意識はここで墜落した。
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