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戦慄した。
このイヤホンが言っている事は本当だった。
乗客全員、アサルトライフルやらマシンガンやら…。しかも全て銃口は俺を向いていた。
ジッ
「わかっただろう?君は今、まな板の上の鯉ってやつだね」
くそっ!どうなってるんだ!
とりあえずショットガンを構える。
仕方ないがこっちも命かかってんだ。
「中央突破だ!」
正面の男にショットガンをぶっ放す。凄まじい反動だ。
足を狙って撃ったせいか、殺す事なくルートを開いた。
シューッと扉が閉まる。
「ぅおああぁぁっ!!」
もはや無人となった電車に俺は飛び乗った。
ドッと電車の床に体が落ちる。
「ぃててて…」
先程俺がいたところには、地団駄を踏んで悔しがる乗客の姿があった。まだ諦めきれずに車体に銃を乱射している者もいた。
ジッ
(とりあえず第一難関は突破したみたいだね)
イヤホンから声がした。
「あんたは誰だ?」
聞いても反応しないと思うけどな。
ジッ
(そうだね…君をサポートする人―――とでも言っておこうかな)
なんだそりゃ。
「どうせアンタには今後世話になると思うし。名前くらい聞かせろよ」
しばらく黙っていたがついに名前を名乗った。
ジッ
(パニッシュ・ゼロフィッシャーだ)
パニックするフィッシュ?
今度はこっちが黙ってしまった。まさか外国人とは。
「まぁパニクるフィッシュか。覚えとく」
ジッ
(ゼロでいいよ…)
――――と、足音が聞こえた。
…………誰かくる。
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