雹国の剣士

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まず、岩の上から使い魔がシフの顔を覗き込み、次に主である少年を起こしてくれた 「……………ん、何だ」 「話の最中に寝るな」 「君が一方的に話してただけじゃないか」 「…………」 こうゆうマイペースなタイプは苦手だ…、えぇい 「俺を殺さなかったのは何故だ!?答えろ!」 勢い良く立ち上がり少年にむかって怒鳴った、一方で少年はうるさそうに右手人差し指を耳穴に入れ、眉をしかめている 「……理由?、理由はね…うん……世界が君を欲しているから」 「……………」 思い出すように幾度か首を傾げ、疑問系で答える少年に、“訳の分からん事を…………”と、今度はシフがしかめっ面で頭を掻く 「生命の泉の【ノルン】は予言した、“天が朱に染まりし刻が始まりを告げる、恐怖と絶望が世を包み、生命が震えて沈むだろう、全ての死は【混沌】に有り”、」 「それが俺を生かしたのと何の関係があるんだ」 「最後まで聞きなよ、こうも言ったんだ、“【雹国の剣士】の下に集いし兵、かの者達は生きとし生けるもの全ての明日に繋がる橋と成るであろう”、って、雹国の剣士、これは君だ」 “つまりこいつは予言を信じて俺を生かしたって事か?…………………どんな理由だよ!?” しかめっ面から、シフは驚いたような、半ば呆れた様な表情に変わる
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