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一階に降り、シフは椅子に座って待っているシグマに声をかけた、本当に旅をしていたのかと思う程の軽装であり、腰に鞄をぶら下げているだけであった
「よし、フロル、“転送鏡”持って来てくれ」
そうシグマが言うと、すぐにフロルが小さな手鏡を持って来る
「ご主人、転送鏡用の鏡は持ってる?」
「牛舎の中の個室にあるわい、別に登録しといてもええぞ」
「さっきから鏡がどうのこうの言ってるけど一体何なんだ」
“転送鏡”、シフは初めて耳にする言葉
だ
「……転送鏡はね、登録した鏡のある場所に一瞬で移動出来る便利なアイテムなの…」
フロルがボソッと教えてくれる
「ほぇ~、知らなかったぁ…………ん」
寝起きの事を、彼は少しずつ思い起こしてみる
確かに“俺の国”と言う言葉を聞いた、それに“行くぞ”と言うことは、
シグマはどこかの王様?それだと………フロルはお姫様!?
シフは当初、アスガルドに行く予定だったが変更してシグマ達について行く事にした
理由は単純、
こっちの方が面白そうだからである、出身国を俺の国と言っただけなのかも知れないが、それでも尚これほどの力を持った者がどこの国の出身なのか、興味が尽きない
「……シフ?」
フロルがシフの顔を覗き込む
「ん、あ、あぁ!よし、それじゃあ牛舎までいこうシグマ!」
「お、急に調子良くなったな、まぁいいけどさ、」
三人で牛舎に向かった
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