冥界の主

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牛舎 ウヴォ~ウ!ガォォオン 「あ、すっかり忘れてた」 牛舎に入るとすぐに竜の声がした、そう言えば置いたままだったっけ、と、シフは竜の頭を軽く撫でてやる さすがにこいつは連れて行けないだろう、なかなかの大きさだ、と、その体格を眺める 「……お父さん、この竜連れてっていい?」 シフがシグマに訪ねる前に、フロルが口を開いた、彼女はその竜を少し気に入っているらしい、シグマに対する口調は軽く、当たり前だが気を遣う雰囲気もない 見た目に歳の差は感じられず、むしろ父の方が幼く見えるが、やっぱり“親子”なんだな…と、シフは感じた どことなく、捨て猫を拾ってきて、親に飼ってもいいでしょ?と聞く子供の様に見えた、見ているとどこか暖かみのある光景に思える 「おっ、いいぞいいぞ、」 特に考える事もせず、シグマは答えた 「即答かい、つか…こんなでかい竜転送出来るのか」 「任せろ、俺に不可能は……………無い」 不可能はの後の間が気になったが、あえてシフは突っ込むのを止めておく フロルがありがとうとシグマに言い、その後、個室の鏡と転送鏡とを合わせ鏡する、すると転送鏡がパッと緑に光った、これで登録が完了したらしい 牛舎から竜を連れて街道まで出る、そして転送鏡に向かってシグマが「このパーティーを【冥界、ハーデス城】まで…」と………言った、 行き先にシフは驚く、冥界に関してはろくな噂を聞いて無い、しかもこの世界樹の国では、 ・・・・・・・・・・ 唯一の立ち入り禁止国に指定されている様な所だ もう転送が始まっているので後戻りは出来ないが、
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