冥界の主

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階段を下り、進み続けて二分ぐらい経った時、巨大なホールの様な場所に出た、暗闇に目が慣れてきた為か、ある程度は見える 「あら」 最初にルチル、次にラルシェが異変に気付いた、 「……だもちゃん居ない」 呟いてラルシェは肩を落とした 「……だもちゃん?」 シフが聞く、どうやらこの場所に“だもちゃん”が居ないことがおかしいらしい 「おう、【トライヘッド】のダモクレス、だからだもちゃん」  ・・・・・ 「だもちゃんねぇ…」 “トライヘッド”、それはつまり三つ首のモンスターのことを指す、多分もっとも有名なのは“地獄の番犬ケルベロス”、それこそ冥界の主ハーデスの愛犬だろう、三つ首の巨大な狼のようなクリーチャーだ、尚ケルベロスの幼少期は、とても愛らしい子犬であることはあまり知られてない 「確かに鳴き声を聞いたのですが………他の者が散歩に連れていったのかも知れませんねぇ…」 唇に指を当てて、思い出しながらルチルは言う 「むぅ~~~……居ないなら仕方ない、もう戻るのじゃ」 その“ダモクレス”と言うトライヘッドとの散歩が楽しみだったのか、少しふてたようにラルシェは頬を膨らませた 「まぁ、なんか残念だったな」 ダモクレスをまだ見たことも無いし、良く分かってないシフだが、 落ち込んでいるのを察して、ラルシェを少し慰めようと、一緒にいる竜の背に乗せてやった、落ちると危ないと言いルチルも竜に乗る ルチルの場合恐らくは自分が乗りたかっただけだろう、竜にまたがったその表情は喜々としてる、 それから後はみんなで一緒に来た道を戻り始めた、シフはたいまつをもって後ろをついて歩いている、 階段の中腹にさしかかった時、シフはなにか妙な空気を感じた、 肩に生暖かい風が当たるのだ、 しかし、特に気に留める事でもないので、彼はそのまま歩き続けた
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