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場所は変わり
広間
「あいたた……ペル、風呂場で殴る事は無いだろ」
「全く、やっと帰って来たと思ったらすぐにこれ……、少しは性欲も収まったと期待した私が馬鹿だったわ」
体から湯気を放ち、バスローブに身を包んだペルセポネと、左頬に赤い手形をつけた、夫であり冥帝であるシグマの姿があった、
「おいおい、一緒に風呂に入るのは家族間でのコミュニケーションだろう、決してそんないやらしい下心なんて無いよ」
シグマは色々言い訳をしている
「ふふ………どうだか、」
ペルセポネは微笑して返した、帰ってきて早々にこの様なちょっとしたトラブルがあったが、やはり彼女はシグマに会えて嬉しいようである、お互いに言葉には出さないが、家に帰ったことの暖かい落ち着くような雰囲気を感じて寄り添っていた
ドシ……ン、ドシ……ン
そんな夫婦二人に、足音と共に、地響きが近付いて来た
「あら……またラルシェかしら、ダモクレスも大変ねぇ」
「ママ上~~……………ぁあ!!パパ上!一緒におったのかぁ!」
ドスゥン!!ドスゥン!!
シグマを視界に捉えたラルシェは嬉々としてダモクレスの速度を上げていく、魔獣も意を汲んで城内だろうが緩めない
「お~い、当たらん内に止ま………」
ヘラヘラとシグマは言う、が
ドッシィン!!ドッシィン!!
歩みは止まらず
ペルセポネを見事にかわす様に
「おまぇ!!?わざとかぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――――――………………」
前脚の爪に乗せられる形で放り飛ばされた
場内の天井は高い、しかし余裕で遥か彼方の壁に頭から突き刺さる
「パパ上よ、娘を悲しませた罰なのじゃ!しばらく壁に張り付いて頭を冷やすのじゃ!」
「おいおい…やり過ぎだって、普通なら死んでんよ」
シフがそう言うと「パパ上なら大丈夫!あのくらいで死ぬ冥王ではない!」……っとラルシェは言った
「結構イテェよ………」
レベルの低下もあり、娘の愛情が文字通り身に染みた彼は人知れず呟くのだった
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