「チカラ」

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轟音は、グレン達にも届いていた、大気の振動は、発生した地震も彼等に理解させる 「うおわぁっ!!」 思わず声を上げてしまうグレン、肩を跳ね上げ、音の方向を見る 津波の向かう先に、何かあったのだろうか 道中を思い出せば、高い山に深い谷と様々な地形のある土地だった、それだけ破壊の対象があると言い変えてもいい 陸からかなり遠ざかった様に視界には映るが、実際は目に映る一面が波に飲まれて生まれた光景なのだ 戦闘中は気付かなかったが、改めて見ると分かる異様な変化に、グレン、フォーモリアは固唾を飲んだ 波に、万が一片足でも触れていようものなら、今頃… ……考えるのは止そう 「おい、グレン」 今は、それよりも気にすべき事があった フォーモリアがグレンに声をかける、先程から非常に小さい音だが、黒板を引っ掻いた様な音を耳が拾っていた 「分かってるち、何だこの音」 彼も気付いていた、驚くべき速さで大きくなるこの音は、言い表せない不安を二人に覚えさせる この空域から離脱すべきだろうか しかし、赤い悪魔の言った通りなら待たなければ ふと、そんな事を思った矢先、一際大きくなった音が二人よりも上の空で爆発音と共に止まった 鼓膜に痛みを感じる程の大きなこの音は、二人が初めて耳にするものである 強い風が肌を打つ、彼等は空を仰ぎ見た
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