幾千ノ死ヲ越エテ……

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覚悟を決めたと言うよりは、全てを諦めて動きを止めた だが、俺にとどめを刺すチャンスなのにカオスは動かない いや、“動けない”でいた、 「ア、アアア、ア、ア、コノ………人間ガ……、」 喉を掻きむしって苦しみ、自ら頭を殴りつけるカオスの様を、俺は身動き出来ず只見ていた 〝…動けない、のか〟 「ウゥ、ヒ、ひ、引っ込んでて!…あ、あなた!……あの子を……フロルを…お願い…ね…………」 最後の最後に、彼女はカオスに残っていた、“ほんの一握りの自身の存在”を カオスの表面上に、出したんだ 「ソフィア………っ!!ヤメロオオオオ!!!!!!!」 そして……“あいつ”は、自ら命を絶った、 戦いは終わり、世界を包んだ夜は明け、光が蘇った…表向きはな、だが俺の戦いは“続いている”、 人知れず俺はカオスとの戦いを続けている、魂が集まる度に死愚魔島で……な ニュクスは【夜の神殿】にエレボスは【暗闇の霊城】へ封じられてから、以降一度も復活はしていない、 未練を残したり、誰かを怨み死んでいった者達の魂を集めて、カオスは“また復活する”、 ノルンがこれまでにない大きな戦争を予言した、多くの命で奴は更に力を付けて戻ってくるだろう、 今度は……俺だけじゃ、ダメかもしれない………もしかしたら、ニュクスとエレボスの封印も解けるかもしれない、 また、混沌の時代が繰り返される………
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