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「ラルシェを連れてってくれ、」
「……………はい?」
シフは一瞬、思いがけない提案に固まってしまった、
「ぱ、パパ上!それは本当か!?」
ラルシェは驚いたように席を立つ、シフの思考は二人の話に置いてきぼりだ
「ああ、そろそろ旅の一つでもしていい頃だろ、」と、シグマが口に出した時に、ようやく彼の思考は戻った
「いや…………いやいやいや、ちょっとちょっとちょっと、あんた自分で何言ってんのか分かってんだろうな」
「もちのろんだ、この時代、一人で身を守れなければ生きていけないからな………言わば修行さ、ん、それともシフ、俺の娘じゃ戦力外か」
戦力外も何も、まだ具体的な力を知らない、シグマの言葉から察するに“それなり以上の力”があることは分かる、
しかし見た目で判断してはいけないものの、彼女の外見の幼さからシフは旅を共にするのを躊躇った、
「いや、でも危険な旅になると思うし、」
そう、シフが踏ん切りのつかない様子で呟いていると、ラルシェが彼を真っ直ぐに見つめ、懇願するような口調で言った
「シフ………お願いじゃ、わしも一緒に行かしてくれ、わしもパパ上の様に一人前になりたいのじゃ……」
その言葉はシフの判断を促すには十分だった、
子供は卑怯である、特にあの真っ直ぐなまなざしは、
何と言おうか、
断れない、
思わず「はい」、と答えてしまう、
シフは悩み、悩んだ結果
「……分ったよ、そのかわり足手まといにはなるなよ、」
連れていく事に決めた
「あ、ありがとうシフ!!足手まといになどならぬよう、わしはうんと頑張るのじゃ!」
ラルシェのパーティ入りが決定し、朝食を終える、
しばらく一行は食堂でメンバーを分けた、
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