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コルネカ森林へ続く道、
スヴァルトアルフヘイムに行くには、街道を直進し、その後【コルネカ森林】と【月光の森】を抜ける必要がある、
コルネカ森林はある特定の危険区域内に入らなければ問題ないが、月光の森については、あまりいい話を聞かない、
巨大な虫がいた、大木が急に襲ってくる等、その中でも特にシフの印象に残っているのは、森にある古い城には“吸血鬼”が住んでいるという話だ
「ん、どうしたシフ、何か考え事か」
シフがこれから進む道の事を考えていると、ラルシェが手を握って話しかけてきた
「いや、何でも……」
と、彼がラルシェに「何でもないよ」と言おうとした瞬間
「待て」
ヴォルクの発した一声がそれを遮った、雰囲気の変化に立ち止まる二人、どちらが言うともなく、二人揃って顔を覗けば、ヴォルクは牙を剥いた、凄みのある笑顔を見せていた、鬣は逆立ち、筋肉の堀が深まる
「ここで各自、能力のお披露目といこうか、魔物がいるぞ、数は五匹程度だ、ボスを殺し、後は逃がすか、それとも皆殺しか」
言葉の直後、茂みから数体の影が飛び出して来た、鳥の様なクチバシの中には鋸刃の様に細かく尖った牙、全身が薄茶色の鱗で覆われているのが特徴である、人型の魔物、ドレイクが四匹、
そして四匹に囲まれて、一際大きな群のボス、ニダヴェリールドレイクが一匹
「くる…!!」
ラルシェは身構えた
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